嘘が、つけない。 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!


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毎年、クリスマスと同じくらいにエイプリルフールを楽しみにしてきたのに、
今年はついに“嘘”をつかずに終わってしまった。


いつも、

ユニークでそれでいて誰も傷つかず楽しくて、誰もが信じてしまうような“嘘”を真剣に考え、オリジナリティのある方法で一斉に仕掛けていた。


ネタは時流に乗っていることが望ましい。1か月は前から準備をして、仕事関係、友人関係などいくつかのパターンを作り分けて準備をしていた。
ここ数年は、WEBの仕事をしていることもあり、また、同時に沢山の人を引っ掛けることができるので、ブログやサイト、メールを使った仕掛けが多かった。
毎年のことなので、それなりに周囲の皆は構えて4月1日を迎えるのだけれど、そこをかいくぐって大技が嵌まったときの楽しさといったらなかった。ボクの“嘘”に引っかからずに見破った人の得意そうな顔も、それはそれで負けを認めつつも楽しいものだった。

今年もずいぶん前から楽しみにして、いくつかのアイディアを実行する準備にも入っていた。その中からベストのモノを熟考して本番にリリースしようと。たとえば、“嘘”のためにYouTubeのアカウントを取って、ある映像をアップしてあったりする。それらは、すべて無駄になった。


もしかしたら年齢のせいで、分別が勝ってきたのかも知れない。
あるいは、遊びに対する熱が冷めてきたのかも知れない。
永年エイプリルフールを遊びすぎて、いままで以上新鮮なネタをリリースする自信がなくなったのか。
日常的に嘘をつき過ぎているのかも知れないし、逆に、オトナになって自由な発想ができなくなってきたのかも知れない。
それとも日々が楽しくて(あるいは忙しくて)、このイベントを余計な手間と考え始めているのか。
ボク自身にも、定かな理由は分からないけれど、今年は結局、“嘘”を完成させることができなかった。


じつは3年前に、ハロウィンを“引退”している。
こちらも、衣裳を自作したり、メイクに凝ったり、チームを組んで乗り込んだりと大騒ぎをしていたのだけれど。
たとえば、七夕とか、節分の豆まきとか、雛祭りとか、五月の節句の鯉のぼりとか、じつは子どもの頃には楽しみだったイベントが、いくつもボクの生活から消え去っている。
ちょっと意味は違うかも知れないけれど、夏のプールやキャンプ、冬のスキーもだいぶ前に引退済み。
そんななかで、気が付いたら季節を感じるボクのイベントは、クリスマス、バレンタインデー&ホワイトデー、誕生日、そしてエイプリルフールだけになっていたのだ。


嘘をついて良い日に、嘘がつけない。
嘘をつくのは膨大なエネルギーが必要だ。
年を取りすぎたのかなぁ。
これからのボクは、こんな生き方で良いんだろうか…。