チョコ好きのまとめ。 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!


chocolate2007

純粋に、チョコレートの事。
最後に残った、GODIVAの72%カカオのタブレットを食べながら。
大のオトナが、チョコレート好きで何が悪い?
と開きなおりながら、年に一度のチョコレート三昧の季節が終わった。
今年も美味しかったなぁ、と感謝しつつ。


今年は、バレンタインデーの直前に、NHK『プレミアム10 パリ 世界一のチョコレートの祭典』でショコラティエたちの「サロン・ド・ショコラ」にかける意気込みや、作品作りの過程を見ていたので、一粒一粒がまた格別の味わいだった。


番組では、4つのブランドを追いかけていた。
ジャン=ポール・エヴァン氏ですら真剣に、オーソドックスなアプローチであるけれど、たゆまぬ努力と工夫を凝らし、新しい一粒を創り出す。バレンタイン直前の表参道ヒルズのお店は大行列だったけど、常設店があるだけにいつでも買える安心感がある。丁寧な味わいは、いつでも美味しい。東京に住んでて、良かった。
一昨年から東京のコレクションにも参加しているフランソワ・プラリュ氏は、カカオ農園を所有しパティシエが使う原料用チョコレートの製造も手がけるショコラティエ。残念ながら、産地別のカカオが味わえる「ピラミッド"トロピック"」を試す事はできなかったけれど、レストランパティシエやショップ中心のショコラティエとは違うアプローチは興味深い。
塩バターキャラメルのアンリ・ルルー氏(って言っちゃって良いのかな…)のキプロン(ブルターニュ)のお店が、その名声に比べてこぢんまりと可愛くて、氏のキャラメルやボンボンはあそこから東京に届くんだと思うと、ちょっと感動。
5月上旬に、東京に氏のショップがオープンするらしい。予告サイト ができていた。早速、メールマガジンに登録(^^
他にも番組では、日本人として初めてサロンに出品した渡辺美幸氏や、メリー・チョコレートのブランド「マダム・セツコ」の試行錯誤も紹介していた。


さて、東京の「サロン・ド・ショコラ」コレクションのなかから、今年いただいたのは以下のラインナップ。
セレクションBOXは、『セレクション・スペシャル』と『セレクション・デ・セレクション』。そして、ベルギーのショコラティエ、ピエールマルコリーニの「ギモーブ ショコラ」とフランス、リヨンのショコラトリー「BERNACHON」の板チョコ。ここは日本初出店。
これらをぜ~んぶ実際に感謝しつつ、美味しく食べたので、資料とメモと記憶を頼りにひとつずつを今年のValentine's Dayの記録として書いてみる。


■セレクションBOX『セレクション・スペシャル』
10人のショコラティエ(ショコラトリー)から、それぞれひとつずつを集めた贅沢なセレクション。サロンド・ド・ショコラ東京の定番だけど、もちろん、今年初めての味もある。


・フランク・ケストナー『ペルル ド ロレーヌ』
すもも(ミラベル)のジュレ、キャラメル、ヘーザルナッツのプラリネが三層になっていて、口に入れると香ばしさとフルーツの酸味が混然一体となる。これは美味い! 日本で買えるんだろうか。
・フレデリック・カッセル『パレ シャトーレ』
一流のパティシエが集うルレ・デセール協会の会長自らが作る逸品。ミルクガナッシュの滑らかな舌触りとチョコのバランスはさすが。
・アルノー・ラエール『ジャッド』
モンマルトルのお菓子屋さんらしい、です。ジャッドは、2005年度のパリ・サロン ド ショコラでプラリネ部門第1位の栄冠を得た。ピスタチオの薫り高いプラリネ。
・フランク・フレッソン『サンドマング』
ドミニカ産のカカオを使った滑らかな口溶けのガナッシュ。
・ジャック・ベランジェ(店:ベリン)『ギャラン』
口の中に入れると流れでるリキッドキャラメルのなかに、パッションフルーツの香りをつけたレーズンが“浮かんでいる”イメージが拡がる。フルーツの酸味とチョコレートはどうしてこんなに相性がいいんだろう。デザイン(?)も、驚きも、味も含めて、大好き!
・ジャン=シャルル・ロシュー『シトロン』
レモンのガナッシュがコーティングのチョコレートと絶妙な関係を築く。フルーツのジュレを使ったボンボンが好きだけれど、ガナッシュに酸味を加わると美味しいなぁ。
・セバスチャン・ブイエ『キャレブレスキル』
昨年はたしか、バジリコのガナッシュという変化球できたブイエ氏。今年は、カリカリのキャラメル入りのアーモンドとヘーゼルナッツのプラリネ。オーソドックスだけど、やっぱりこっちの方が好き。
・クリスティーヌ・フェルベール(店:メゾン・フェルベール)『キャラメル フランボワーズ』
コンフィチュール(大胆に言えばジャム)のお店だけに、フランボワーズの香りが高く、キャラメルガナッシュとビターチョコとちょうど良いバランスを作る。ハートのモチーフをデザインしたピンクのコーティングも可愛くて、良い感じ♪
・ティルリー・ミュロップト
オレンジのリキュール、グランマルニエ風味のペーストとマジパンが薄いチョココーティングに包まれてる。これも、好き。
・渡辺美幸(店:ラ・プティット・ローズ)『ローザ』
NHKの番組で、サロン ド ショコラ出品まで薔薇の風味を出すための苦悩と工夫を見ていたので、スゴク楽しみにしていた作品。だけど、この一粒に関しては、巨匠たちとはまだまだ差があるように感じた。もちろんこれだけでは判断できないし、ずらりと居並ぶMOF(フランス最高職人賞受賞者)たちに加わるだけでもスゴイと思う。フランスで孤軍奮闘している彼女を尊敬するし応援したいと思うのだが…。
残念ながら、もっとも苦労をしていた薔薇の風味がチョコに負けている。また、そのチョコ自体の口溶け感が軽くない。繊細な花の風味を活かそうとするなら、そこから。
パティシエールらしく薔薇の花びらをトッピングした美しい外観なのだけれど、困ったことに、この花びらが舌に触る。チョコが溶けても、花びらが残る。今後に期待。


■セレクションBOX『セレクション・デ・セレクション』
こちらはMOF4人の作品を3粒ずつ詰め合わせたオリジナルBOX。


・アンリ・ルルー
『フレーズ・ポワブル・ノワール』…黒胡椒の香りのガナッシュ+苺のパート・ド・フリュイ(苺のペースト)。美味いのは当たり前だけど、それより伊勢丹のパッケージに入っていた説明書に、「黒故障」という誤植を見つけて、そっちの方が気になった♪
『C.B.S.』
大人気の塩バターキャラメルC.B.S.をチョコでコーティング。もちろん、美味い☆
『クリスティーヌ』
親交のあるクリスティーヌ・フェルベールをイメージして作ったという新作。オレンジのパート・ド・フリュイ+スパイスのガナッシュ。なんだか楽しそうだな。
・ファブリス・ジロット
『コロブリエール』
栗の木の蜂蜜+マロンのガナッシュ。マロンが甘すぎず、思いの外爽やかな後味。
『コンプレクシテ』
バルサミコ酢+苺のジュレ。そういえば、バルサミコを使ったチョコにはあまり出会わない。フルーツの酸味とはまた違った奥深さが素敵。
『バリ』
ピーナッツとアーモンドのプラリネ。オーソドックスなチョコ。
・エドワール・イルサンジェー
『トーチェフ』
伝統的なヘーゼルナッツのプラリネ。1900年の創業以来の伝統の味だとか。
『レグリーズ』
リコリス(甘草)のガナッシュ。これも、ヨーロッパ菓子伝統の味、かな。
『プラリネキャフェ』
コーヒーのプラリネ。イルサンジェーには特別な新奇性はないけれど、どれも、しっかりと美味しいチョコレートだ。
・パトリック・ロジェ。
『シラキューズ』
シチリア産マンダリンオレンジのコンポートで作ったガナッシュとプラリネ。フルーツとチョコの出会いを大切にする氏の作品は、文句なく大好き。
『ミストラル』
無塩バターのキャラメルに、フルール・ド・セル、塩の粒を加えたキレイなドーム型のチョコ。
『ガナッシュ60%』
カカオ60%のガナッシュの定番チョコ。もちろん、ちゃんと美味しい。


■ピエール・マルコリーニ『ギモーブ ショコラ』
告白すると、ボクはマシュマロ好きでもあるのだ。フランス語で“ギモーブ”。
いつもスーパーなどで購入する一般的なマシュマロと異なり、口の中に入れると溶けてしまうほど柔らかなマシュマロをチョコでコーティングしてある。チョコも美味しいんだけど、せっかくのバニラの香りと食感が濃厚なチョコに負けて、マシュマロの味が伝わりにくい。う~ん、別々に食べたいかも…。でも、このとろけるマシュマロは、単独では成立しないんだろうな。


■ベルナシオン『BERNACHON』
フランス・リヨンのショコラトリー「BERNACHON」は日本初上陸らしい。いただいたのは、板チョコ! もらってばかりで、実際に、サロン ド ショコラに出かけたことはないのだけれど、他にも板チョコって出品されているのかな。
分厚くて170グラムもある板チョコに、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、干しぶどう、クルミ、さくらんぼが、そのまんま埋め込まれている。見た目もカワイイ。
巨匠たちのボンボンショコラとはまったく異なるポジションでいながら、チョコの口溶けは抜群で、軽い。コンビニで売るわけにはいかないだろうし、日本の高級ショコラトリーでも難しいだろうなぁ。でも、美味しい!


ふう。長文リポートでした。


以前書いた分 も含めて、そろそろホワイトデーの対策を練らねば。感謝の気持ちを込めて。
起源となったといわれているキャンディ、マシュマロを始めとして、クッキーだとか、キャラメルだとか、いろいろ候補はあるけれど、ホワイトデーの定番ってなかなか定まらない。
いろんな理由はあるだろうけど、やっぱり、老若男女に愛され、パティシエたちが挑戦し続けているチョコレートがダントツに“偉いから”のような気がする。


3月20日20時から、NHKのBS-hiで『シリーズ 美食のワールドカップ ハイビジョン特集「世界一 チョコレートの祭典 サロン・ド・ショコラ」』が放送されるらしい。見逃せないぞっと。