“音”を忘れて気がついた音たち。 | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!

netWalkman

今日、netウォークマンを忘れた。
携帯とウォークマンとIDカードは忘れちゃまずいだろ…と、振り返れば、すでに家から300メートル。不動産案内基準では、往復7分半。
会議の時間が迫っていたので、仕方なくそのまま駅に向かった。

いつもはバックグラウンドミュージック付きで見る風景も、今日は効果音なしの生音だ。
スズメがさえずる。遠くで救急車のサイレンが聞こえる。どこかの学校でチャイムが鳴っている。木々の葉がこすれる音がする。
ちょっと新鮮な気持ちになっていた。

通勤電車でつり革につかまりながら、いつものように本を開いて読み始めたら、ウムム、これが集中できない。

短い駅間なのに、ご乗車ありがとうございます&朝のご挨拶から始まって、携帯マナー、痴漢は犯罪ですに、不審者・不審物を見つけたときの対応法、おまけにパスネットのセールスまでして、次の停車駅の紹介までのべつ幕なし車掌がしゃべり続ける。どうせなら不審者や不審物の見分け方まで教えてくれると助かるのに。車内を見回せば、不審者があちらこちらに乗っている。
子どものぐずる泣き声と、母親のなだめる声が聞こえるが、全然説得力がない。パリパリの海苔がウリのコンビニおにぎりを苦労して制作する音には鮭とご飯の匂いが混じり、J-POP、クラシック、ジョーダン系まで様々な携帯着メロは中途半端に2小節半ばで途切れて気持ち悪い。

ボクは、“おばさん”を同時に喋ることのできる人たち、と密かに規定している。おばさんは、年齢や見た目の問題じゃない。
普通、会話は言葉のキャッチボールだ。ところがおばさんの手にかかると、これが言葉のお手玉に早変わり。3人寄れば、4コくらいのお手玉が常に飛び交っていたりする。さすがに年の功、それでも見事にお手玉が落ちることはなく、会話が成立する。端から見てると、誰から誰に言葉が投げられて、誰がキャッチしたかは皆目わからないが、本人たちの間ではキチンと会話が成立したりするから、これもはた迷惑。

大学生の知ったかぶり会話も聞きたくないし、上司と一緒のサラリーマンの見え透いたお追従も、部下らしい女のコに武勇伝を語る先輩社員も気持ち悪い。もちろん、携帯電話でバイトに遅れる嘘の言い訳なんかも聞きたくない。電車、遅れてなんかいませんよ~。

日頃、周囲からの雑音をすべてシャットアウトしてくれる音楽に代わって、今日はいろいろな音を聞いた。おかげで通勤の楽しみ読書は全くできず。
そういえば、もうひとつ気がついた音。ヘッドフォンから漏れる例のシャカシャカ音、あれって、かなり迷惑な騒音だな。。明日から、気をつけよう。